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Q、樹状細胞ワクチン療法と他のがん免疫療法の違いは?

A、がん免疫療法は、「特異的な治療かどうか」と「細胞を用いる治療かどうか」の2つの視点から、大きく4つに分類されます(下図をご参照下さい)。
樹状細胞ワクチン療法は、がん細胞だけを狙って攻撃する(特異的)、患者さまご自身の
細胞を用いた最新世代のがん免疫療法です。

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樹状細胞ワクチン療法は、(1)がん細胞に「特異的」に作用し、かつ(2)「細胞を用いている」という2つの大きな特徴を持つ点で、他のさまざまながん免疫療法と異なります。特に、その有効性に関する質の高いエビデンスが存在する唯一のがん免疫療法として、世界で注目されています。また、従来の抗がん剤のような重い副作用の心配がなく、QOL(生活の質)を維持しながらがん治療を行うことが可能です。

がん免疫療法の歴史

(1)がんに「特異的」に作用する(=特異的がん免疫療法)
「特異的」とは、がん細胞にだけを狙って攻撃するという意味です。
これに対して、例えば通常用いられている抗がん剤は、正常な細胞にも影響しているため、白血球減少や粘膜障害、脱毛などさまざまな副作用が生じてしまいます。

21世紀に入り、「いかにして正常細胞に影響なく、がん細胞だけを攻撃するか」という「特異的」アプローチが、最新の科学や医学を駆使することでようやく医療現場で実現可能になってきました。
最新の抗がん剤「分子標的治療薬」は、がん細胞だけが持っている特異的な目印に対して作用する「特異的」抗がん剤として注目を集めています。

この流れは、同様にがん免疫療法の分野でも起こってきました。以前の「非特異的な」免疫療法では、からだ全体の免疫活性化しかできませんでしたが、90年代後半以降、がん細胞に特異的に作用する免疫を高めようとする「特異的がん免疫療法」へと進化していきました。
これが、近年話題になっている"がんペプチドワクチン"であり、〝樹状細胞を用いたがんワクチン療法(樹状細胞ワクチン療法)″です。
すなわち「特異的がん免疫療法」とは、インフルエンザワクチン(ウイルス独自の目印を身体に注射する治療)のように、「がん細胞独自の目印(がん抗原)」を身体に注射することによって、体内の免疫細胞ががん細胞だけを正しく認識できるようにするための治療法として開発されたのです。

(2)「細胞を用いる」免疫療法(=がん免疫細胞療法)
「細胞を用いる」とは、体内に存在する免疫細胞を利用したがん治療を意味します。
免疫細胞を用いたがん治療は、80年代の「活性化リンパ球療法」の出現とともにその治療効果が大変期待されました。これは、リンパ球ががん細胞を排除するのに最も重要な免疫細胞であることが判明したことによるもので、以降米国を中心に莫大な研究費が投じられてその有効性についての研究が長年行われてきていますが、活性化リンパ球療法単体での有効性はまだ明らかになっていません。

仙台駅前アエルクリニックが専門とする「樹状細胞ワクチン療法」は、特異的がん免疫療法の一つである"がんペプチドワクチン"を、自己の細胞(樹状細胞)を用いることによってさらに進化させたものです。すなわち最先端の「細胞を用いた特異的がん免疫療法」であり、これを、特異的がん免疫細胞療法と呼びます。として、現在、世界中で注目され、研究が開始されています。

これまでの非特異的がん免疫療法は、単独で進行がんに対する有効性が証明されませんでした。
また、特異的がん免疫療法の一つ「がんペプチドワクチン」も、その有効性は期待されたほどの効果が得られていないと報告されています(*)。
(*)Rosenberg SA. Nature Medicine 2004

ところが2010年、米国の臨床試験において「特異的がん免疫細胞療法」である、樹状細胞を用いたワクチン療法による延命効果が明確に証明されたことを受け、米国で、前立腺癌に対する同療法が国レベルで承認されました(**)。
(**)Philip W. New Englanld Journal of Medicine 2010

このように、がん免疫療法の中で、唯一その有効性に関する質の高いエビデンスが存在する「特異的がん免疫細胞療法」である「樹状細胞ワクチン療法」は、世界中でより一層研究開発が行われるようになりました。

すなわち、この樹状細胞ワクチン療法は、
(1)特異的ながん免疫療法であること(正常細胞への影響なくがん細胞だけに特異的に作用する)、かつ
(2)細胞を用いたがん免疫療法であるため、副作用が少ないこと(自分自身の免疫細胞を用いてワクチンを作っている)、という大きな2つの特長で、他のさまざまながん免疫療法とは異なります。
現在、有効性に関する質の高いエビデンスが存在する唯一のがん免疫療法として世界で注目されているのです。

この治療法の特長としては、自身の細胞を用るため、専用の細胞培養施設や一定レベル以上の技術を持った専門スタッフが求められ、通常の薬剤のような大量生産ができないことです。我が国においても小規模の臨床試験は始まっていますが、より多くの患者さまに保険診療として提供できるようになるには、まだしばらく時間がかかるものと思われます。

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